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デザイン コラム

《第4回》2003/10

■六本木ヒルズの毛利庭園

 

六本木ヒルズの地味ながら一つのウリが、「その一角の日本庭園」ということで、実は今回その「毛利庭園」を訪れるのを楽しみにしていました。森ビルという巨大な都市ビジョンの提案者が、日本庭園をどう超近代施設に組み込んだのか、期待が高まります。
毛利庭園 大池前評判を見ても、一部に「薄っぺらな」「安っぽい」との評があったものの、大部分はみなほめてあり、わくわくしながら長い階段を下って最下層に降り立ち、いざ庭園を目の前に見て…。

 

がっかりというか、ひたすら残念でした。
確かに日本風の池の周りに申し訳程度に木立や草木が残してあり、石も並べられて石のカケヒからは水が流れ落ちていましたが、でもそれだけのことです。「毛利庭園」はその部分だけスッパリ切り取られ、そこにピッタリ迫るように高層建築からのびてくるテラスが取り囲み、やや高くなった場所に残る庭園の石組みは、なんとコンクリートの回遊路で池と分断されていました。

 

これはもはや、池の姿や一木一草、石組みのたたずまいにまで一つの世界観を託して作られた本来の日本庭園とは、何のゆかりもないただの水辺の景観です。本当に「薄っぺら」で「安っぽい」のには驚かされました。

技術や未来志向の発想には最大限の賛辞を送るこの施設のオーナーが、どうして自国の歴史的遺産に最低限の敬意を払わないのか、不思議です。そうした遺産こそが私達自身のルーツであり、辿り辿れば創造の母体の一部なのに…本当にただ残念でした。

 
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